映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』マイウェン監督インタビュー

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2017年3月25日(土)より公開となる映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』。主演女優のエマニュエル・ベルコがカンヌ映画祭で女優賞に輝いたことでも話題の、大人のラブ・ストーリーです。男女とは? 愛とは? 来日したマイウェン監督に直撃インタビューしてきました。

STORY
スキー場で転倒しヒザに大怪我を負った女性トニー(エマニュエル・ベルコ)は、リハビリセンターで医師に「ヒザの痛みは心の痛みと連動する」と諭される。その言葉に思い当たるあまり涙をこぼすトニーは、元・夫であるジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)との10年に渡る愛と結婚生活を振り返りながら、当時の心の痛みとヒザの痛みを少しずつ癒し、回復させていく。

 ©PRODUCTIONS DU TRÉSOR / SHANNA BESSON 

「愛って、いつもいい面だけではないのよ。美しくはあるけれど」

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©PRODUCTIONS DU TRÉSOR

― この作品を撮ろうと思ったきっかけとなる出来事やエピソードはありますか?

「 実はこの作品のアイデアは、私の頭の中でずっと温めていたものなんです。男と女、社会的にも性分的にも正反対のものを描いてみたいと思っていたの。それに映画監督として作品を生み出すからには、いつかは恋愛映画を撮ってみたいと思うものじゃないかしら? 」

― ヒロインのトニーの人生と、彼女が怪我したヒザの回復を交錯させたストーリー展開がとても斬新でした!

「 ある本で、身体の中で唯一後ろにしか曲げられない関節がヒザであることを知ったの。また、ヒザが“身体において過去と結びついている器官である”という記述もあって…。怪我と同時に、心の傷を治す女性を描いてみたいと思ったわ。すでに書き始めていたこのストーリーにぴったりだったの 」

―本作を鑑賞することで “求める愛を成就させる難しさ” と “求められる愛を信じぬく難しさ” について考えてさせられた気がします。

「 愛って、いつも自己開花させてくれるようないい面ばかりではないんです。ときに熱に侵されたような、病気のような側面も持っていると思うの。男と女っていうのは考え方や生活スタイル、興味を持つものなど、何もかもが違うのよね。とくに作品中のトニーとジョルジオは、本来出会うことがないふたり。でもそんなふたりの愛を描いてみたかった。愛に決定的な姿はないけれど、どんな形であっても美しいものだわ 」

「人生をポジティブにしてくれるのが愛。理想だけではないのも愛」

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©PRODUCTIONS DU TRÉSOR

― トニーは、ジョルジオに出会ったことで本来の自分とは違う人物になろうとしましたね。

「 彼女は自分を貫き彼を愛することよりも、何もかもを相手に合わせることで愛されようとしたわ。その結果、自分自身を崩壊させてしまうのだけれど……、愛による崩壊が必ずしも不幸を導くワケではないと思うの 」

― 「愛が壊れても不幸ではない」って、少し意外な考え方! 監督は“愛”というものをどうとらえているのでしょう?

「 愛は人生をより考えさせ、より美しく、より快適にしてくれる。そういうポジティブな意味で存在していると思います。ただ現実は……そういう理想とは必ずしも合致しないもの。愛の中にひそむ“欲望”のせいで、誠実・忠実であることが難しいの。むしろ誠実で忠実なのは“友情”の方よね 」

― 「愛=しあわせ」というイメージがありますが、監督ご自身は“しあわせ”をどう定義していますか?

「 私自身がしあわせを感じる条件のひとつは“何かに依存していない”ということ。たとえば男性に、経済的に、セックスに、そして愛に。そういうことから独立した状態です。“依存”が人間を重たくし、自由を奪ってしまうと思うわ 」

― なるほど。本作では監督の奥深い愛の定義・しあわせの定義が、随所に垣間見えますね。ラストシーンには、まさにそんなテーマが詰め込まれていると思います!

「 ラストシーンは、観る人によって解釈がわかれているようです。トニーの幸せな未来をイメージしている人もいれば、ペシミスト(悲観論者)もいて。もちろん私もひとつの解釈を持っているけれど、それが正しいものだとは思っていないの。作品を観てくれた人それぞれが自分の体験談や考えを重ねて、自分なりに受け止めてくれればいいなと思っています 」

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Photo:MITSUHIRO YOSHIDA Hair&Make:Mariko Kubo

今回で4度目の来日となる、親日家のマイウェン監督。日本についての印象を伺ってみると、「日本人はみんなとても穏やかで、いつもハーモニーを心がけていますよね。私たちフランス人にとって、それはとても心地がいいことよ」と笑顔を見せてくれました。滞在中には「桜を見たいわ」と、開花予想を気にする一幕も。

監督としてだけでなく、女優としての顔も持つマイウェン氏。監督としての経験は女優業を続けるうえでもプラスになる面が多いとか。今後の活躍にも、注目していきたいですね。

『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』
第68回カンヌ国際映画祭女優賞受賞。『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』から30年、大人になったすべての女性たちに贈る――運命の再会を果たし、激しい恋に落ちた男と女の10年間の物語。

http://www.cetera.co.jp/monroi

2017年3月25日より順次全国公開

監督:マイウェン 出演:エマニュエル・ベルコ、ヴァンサン・カッセル、ルイ・ガレル、イジルド・ル・ベスコほか 配給:アルバトロス・フィルム/セテラ・インターナショナル

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