
“ナシ婚”と呼ばれる、入籍はしたが結婚式(挙式・披露宴)は実施しないという選択をする夫婦が増加傾向にある今。新型コロナウイルスの感染拡大が、さらにその現状を加速させています。ここではその実態を、最新データ(※)とともにご紹介します。
※情報提供元(外部リンク):コロナ禍の結婚にまつわる調査 第1弾「ナシ婚の実態調査編」/株式会社くふうカンパニー
急増したナシ婚!その理由は?
まず、本記事内での“ナシ婚”と“アリ婚”の定義です。
●ナシ婚=入籍はしたが結婚式(挙式・披露宴)はしない
●アリ婚=入籍をして結婚式(挙式・披露宴)を実施した(する予定)
2021年4月の調査によれば、直近1年以内に「入籍はしたが結婚式(挙式・披露宴)はしない」という選択をしたカップルは66.6%! 約7割にも上ることが分かりました。新型コロナウイルスが本格的に拡大する前となる2020年3月に比べて、その割合は27.1%も増加しています。
そして“ナシ婚”を選択した人たちに、その理由を尋ねてみたところ……。
《1位》
コロナの影響でできなかった(51.7%)
《2位》
結婚式以外のことにお金を使いたい(34.4%)
《3位》
人前に出て目立つのが好きじゃない(34.0%)
という結果に。最大の理由は、新型コロナウイルスの感染拡大であることが分かりました。
将来的に結婚式を挙げる予定は?
「コロナの影響で結婚式が挙げられなかった」と回答したカップルに、「今後、人生のどこかで結婚式を挙げたい」と思うかを聞いてみました。
●挙げたいと思わない(13%)
●考えが変わったら挙げるかも知れない(25.0%)
という、結婚式に消極的な回答は全体の約4割。これは冒頭で示した、コロナ前の“ナシ婚”率とほぼ同じ割合です。
しかしこの中で「コロナが落ち着いたら挙げたい」と、コロナを明確な理由にしているのは2割程度。結婚式を挙げることへ障害が、準備にかかる負担や経済的理由であることも浮き彫りになりました。
“挙げない”決断のタイミングは?
「コロナの影響で結婚式が挙げられなかった」というカップルに、「結婚式を実施しないことを決めたタイミング」はいつかを尋ねました。
最も多かった回答は
●結婚式のイメージの検討、両親への相談をするタイミング(75.9%)
多くのカップルが、具体的な結婚式準備を始める前に、実施しないと決断していました。
身内や友人、同僚など、多くの人が一堂に会し、飲食をともにする結婚式。“今”、実施することにそのものに慎重になるのも、無理はありません。
予定どおり実施したのは約7割
一方、直近1年以内に「入籍をして結婚式(挙式・披露宴)を実施した(する予定)」のカップルにも、コロナの影響を尋ねてみました。
すると、「予定どおりの日程で開催した(する予定)」という回答が約7割。1度以上の延期し後に開催した(する予定)カップルは3割程度となり、コロナ禍でも大半の新郎新婦は結婚式を挙げたことが分かります。
ゲストの人数を減らして密を避けた身内だけのパーティーに変更したり、披露宴の演出を変更して他者との接触や飛沫を防ぐ等の工夫が施されたと考えられます。また、結婚式の延期やキャンセルには『日程程変更料』や『キャンセル料』が発生する場合も多く、経済的な理由から実施を選択した新郎新婦もいたでしょう。
価値観が多様化する現代で“ナシ婚”層が増加傾向にあった中、コロナ禍が追い打ちをかけるように、結婚式に価値を感じていた“アリ婚”カップルを“ナシ婚”層に変えてしまったと言えるでしょう。決して普遍ではなくなった結婚式、今後はそれ自体に新しい価値が求められるのかも知れません。
調査概要:結婚式に関する意識調査
調査方法:インターネットアンケートによる調査
調査期間:2021年4月28日~4月30日
調査対象:直近1年以内に入籍をした既婚女性
調査人数: 316名