
災害大国といわれる日本。台風や地震、水害などの大きな被害に見舞われることも、めずらしくはありません。そんなとき、結婚式を挙げることになっていたら……? 花嫁たちが集まるSNSでは『結婚式の保険』というキーワードを耳にする機会がありますが、果たしてそれは、本当に使えるサービスなのでしょうか?
目次
結論!台風や地震での保険適用は…?
「明日の結婚式に大型台風が接近している」
「大きな地震があった直後で、余震が心配」
「再びコロナの感染が拡大してきたな……」
このような理由で結婚式をキャンセルする場合、保険は適用されません。結婚式の保険は医療保険や自動車保険と同様に、何かトラブル等が“起きた場合”のキャンセル費用を補償するものだからです。
例えば台風の接近や大きな地震が起きた直後の余震の心配、急速なコロナの感染拡大など……。新郎新婦の身にアクシデントが発生していない時点ではどちらも“自己都合”によるキャンセルと見なされます。
『結婚式の保険』が適用されるには、条件があります。主に、以下4つのケースです。
①ご本人や身内のご不幸
②ご本人や身内の7日以上の入院
③結婚式当日の入院、医師による待機指示
④地震・台風・家事などの災害
では、適用条件①~④が具体的にどんな場合を指すのかを見ていきましょう。
保険が適用されるのはどんな場合?
『結婚式の保険』が適用される条件は、前述のとおり。ここではそれらが示す、具体的なケースを解説していきます。
①ご本人や身内のご不幸
結婚式を挙げる新郎新婦どちらかの逝去があった場合に適用となります。また、新郎新婦の身内(親、子供、兄弟姉妹)のどなたかがご逝去された場合も対象となります。
②ご本人や身内の7日間以上の入院
新郎新婦のどちらかが7日以上継続して入院することになった場合に、保険が適用されます。また、新郎新婦の親や子供のうちどなたかが7日以上継続して入院する場合も対象です。
この場合、保険が適用される期間前にすでに入院が決まっていた場合は対象外。継続していない7日以上の入院も対象外となります。また①と違って、兄弟姉妹が対象から外れています。
③結婚式当日の入院、医師による待機指示
結婚式当日に新郎新婦のいずれかが病気やケガで入院していたり、医師からの自宅待機指示を受けている場合は保険の対象となります。
コロナ禍では、自宅待機指示が保健所や会社から出されているケースがあり、その場合には保険対象外となります。新郎新婦以外の入院や待機指示にも、適用されません。
④地震・台風・家事などの災害
新郎新婦が被災した場合にも、保険が適用されます。
火災や破裂、爆発による被害や、自然災害(風災・雪災・地震・噴火・津波)で、新郎新婦いずれかが住んでいる家屋に半壊以上の損害が出た場合。または家財に100万円以上の損害が生じた場合が保険の対象です。
気をつけたいのは、補償対象となるのは実際に被害が出た場合だということ。台風に備えた延期やキャンセルでは、保険が下りません。
結婚式当日のトラブルにも使える!
病気やケガ、自然災害だけでなく、結婚式当日のトラブルにも『結婚式の保険』が適用される場合があります。
【式場の設備や備品を破損・汚損した】
このケースでは、保険会社によって対象となる設備や備品の範囲が異なります。自分たちが結婚式を挙げる会場や、当日の演出、装飾などを踏まえて、もっとも適当な条件の保険を選ぶ必要があるでしょう。
【貸衣裳を破損してしまった】
補償の対象となるのは、結婚式当日に使用するためにレンタルした衣裳や装飾品。友人などから無償で借りたものは対象外です。
【結婚式中にゲストが救急搬送された】
結婚式の最中に起こった、ゲストの体調不良もカバーされていることが多いです。しかし救急車を使用して搬送することが条件になっていて、自家用車やタクシーでの搬送は対象外とされる場合がほとんどです。
【結婚式後、新郎新婦が入院した】
新郎新婦のいずれかが当日中に入院するという、緊急事態が対象です。診察や院は補償されません。
式場側の配慮が得られることも…
大型台風の接近やコロナの感染拡大などの場合、結婚式場側の心づかいによって、日程変更料が無料になるケースも見られます。しかしこれはあくまでも、式場側の配慮によるもの。すべての新郎新婦に当てはまることではありません。
結婚式は誰にとっても喜ばしい“ハレの日”ですが、結婚式場の運営は“ビジネス”であることも心得ておかなければなりません。
災害や病気は誰の身にも起こり得るトラブルだからこそ、『結婚式の保険』に関する正しい知識が必要です。残念ながら、すべてのキャンセルに適用されるわけではありません。しかし、加入によって得られる安心があることも事実。上手に活用して、結婚式準備を進めたいものですね。