
「女性は30歳を過ぎると厄年を迎えるから…」などということをよく耳にしますが、そもそも厄年って何なのでしょう。人生の中で、かなり大事なことのようですね。
日本には古く中国から伝わった文化あるいは祭事などがいくつも根付いています。例えば、3月3日のひな祭り。これは中国の「上巳の節句」に由来するものです。不幸を人形に仮託することがその始まりでした。また七夕祭りもその一つです。彦星と織姫の伝説はよく知られていますね。願いが叶うように祈る日として続いています。それでは、厄年とはどんな意味を持つのでしょうか。詳しくみていきましょう!
女性の大厄は33歳
ここで取り上げる「厄年」というものも、古くに中国から伝わった考え方ではないかとされています。平安時代には陰陽道にても取り上げられ、生まれの干支の年、つまり12年毎に厄年は巡って来るとされていました。その後、江戸時代になりますと、今の厄年、男性は25歳、・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳とされ、特に男性42歳、女性33歳が大厄とされるようになったのです。
厄とは災難や不幸に見舞われること
厄とは災難や不幸に見舞われるということです。不慮の事故や大病、さらに思いもよらない不幸な出来事に見舞われてしまう、あるいはそれが自身のみならず身近な人に降りかかり、結果として自分も大変な目に遭ってしまうということでもありますね。
女性の場合、30年ほどを大きな災難にも遭わず、健康に過ごせたとしても、そろそろ何かの障害に当たってしまうかもしれない、そこでこの大厄を迎えるにあたり、一歩立ち止まって健康に留意することを再確認し、また周囲が平穏無事であることを祈ることが、あとの人生にとって必要だとされているのではないでしょうか。
この年齢の頃は女性としての成熟期にあたり、仕事、結婚、出産などの人生の中で重要なことを経験していく節目であり、また健康面においても若さで何でも乗りきってきた頃とは考え方を変える必要があるのかもしれませんね。何事にも無理をせずに慎重に、自身の限界を知り、周囲との調和を重んじこの節目を乗りきっていきましょう。
厄年は数え年で数える
さて、厄年は数え年で数えるのが一般的です。数え年とは、生まれた時点で1歳であり、最初のお正月を迎えたところで2歳となります。順次年を越す毎に1歳ずつ増えていくのです。
ですから12月31日生まれの場合は、翌日の新年1月1日で2歳となる、そういう数え方です。本年2019年に数え年33歳となるのは、1987年(昭和62年)生まれの女性です。
また、考え方として、厄年というものは本厄の年をピークとしてその前年から徐々に運気の低下が始まっており、そしてその翌年において徐々にまた普通の運気に戻っていくのだ、というものがあります。
そこで、この前年のことを前厄(まえやく)、そして翌年のことを後厄(あとやく)といいます。1987年(昭和62年)生まれの方は、昨年2018年が前厄の年で、来年2020年が後厄の年ということになります。厄払い、厄除けも、前厄、後厄の年にもそれぞれ行われる方もいるようですね。
厄年にするべきこと
それでは厄年のときにやっておくべきことは何でしょうか。まず第一は体の管理ですね。30年近く頑張ってきましたが、その分思いもよらぬところに不具合が発生しているかもしれませんよ。健康診断、できれば人間ドックなどで、細かいところまで入念にチェックしてみてはいかがでしょうか。そしてそれを機に、食生活を見直し、健康維持のためにいいものを食事に取り入れていきましょう。
また睡眠の質の向上にも心がけたいですね。枕などの寝具にも気を配り、入浴時間もしっかり確保することが大事です。
さらに、あなたを取り巻いている人たちにもよく目を向けましょう。家族はもちろん、職場の皆さん、さらに所属する組織の人々です。良好な関係を維持し、感謝の気持ちを忘れず、これからも長くお互いに支えあっていけるように努力を惜しまないことが必要とされます。
厄年にしないほうがいいこと
厄年においては何か新しいこと、普段とは違うことは行わない方がいいとされています。例えば、家、マンション、車などの大きな買い物は止めておくべきということです。また引っ越しも同様ですね。会社を設立するなどということもこれに当てはまります。さらに結婚もどちらかというと避けるべきとされているようです。
だからこそ、厄払いがある
厄年では新しいことは始めない方がいい……しかしそうはいっても、現実の社会において、厄年だからといって躊躇しタイミングを逃してしまうということは避けたいですね。結婚においてもタイミングというのは重要な要素です。
そこでしかるべき神社やお寺で、厄払い、厄除けをしていただき、厄年であっても新しいことに踏み込んでいくということもあってもいいでしょう。
厄払い祈願、厄除け祈祷
神社にて厄払いをしていただくことを厄払い祈願あるいは厄払い祈願参拝、お寺にては厄除け護摩祈祷などと表現します。
【時期】
新年の松の内、あるいは節分までの間に済ませるのがいいとされていますが、それを過ぎてからでもかまいません。ご自身の誕生日の前までにということでもいいでしょう。実際、ほとんどの神社、お寺にては厄払い・厄除けは一年中受け付けてくれています。但し、お寺によっては厄除け祈祷を行なわないところもあります。
【服装】
神様仏様へお願いにあがりますので、それにふさわしい服装で出かけましょう。女性の場合は、スーツ、ワンピース(襟付き)などが無難です。できるだけフォーマルな服装がのぞましいですね。
【申込方法】
予約は必要ないとされているところがほとんどです。但し、神社、お寺の行事のために、受け付けられない日もありますので、その確認だけはしておきましょう。当日、社務所や寺務所などの受付にて、厄払い・厄除けをお願いしますと申し上げれば、所定の用紙に記入するように促されます。住所、氏名、生年月日などをはっきりと記入し、あわせて、厄除け・厄払いということを明記しましょう。初穂料(祈願料、玉串料)、祈祷料をお納めする必要があります。5千円程度から、上限はきりがないくらいとなっています。金額が高いと、いただく御札が大きくなったり、巫女さんの舞が披露されたりということになります。しかし、お金の多寡で神様仏様の功徳が決まることはありませんからご心配なく。
神主さんが御祈願をささげている間、お坊さんがお経を唱えている間、目を閉じて手を合わせて一緒に祈りましょう。おそらく、名前を読み上げられます。深く頭を下げ、一層の精進を誓い、無病息災を祈ってください。
厄年ということについてお伝えしました。必ずしも科学的な根拠に基づくものではありませんが、日本において千年以上にもわたって受け継がれてきた考え方です。何もなければそれにこしたことはありませんが、後悔することがないように慎重に過ごしていった方がいいように思います。
神社やお寺にて、厄払い、厄除けも済ませておけばスッキリするかもしれませんね。